あしたのジョーについてその4(ジョーを取り巻く女達、白木葉子中編)

漫画

ジョーへの恋心の芽生え

前編で述べたように、白木葉子がジョーへの恋愛感情を自身で意識したのは、かなり後です。
ジョーに告白したのが、ホセとの世界戦前の控え室です。その時に最近になって自分でもジョーが好きと分かったと語っています。
なので、葉子自身がジョーへの恋心をはっきりと自覚したのは、この頃のことと推定されます。

では、葉子自身が意識する前にジョーへの恋心が芽生えはじめていたのはいつからでしょう?
おそらく大体の人は、力石の死後と思っていると思います。はたして本当にそうでしょうか。
私は違うと思います。葉子がジョーに対して異性として意識し始めたのは、少年院時代と思っています。

ニック
ニック

葉子がジョーを意識するきっかけは何だったのでしょう?

ターニングポイントとなる出来事

ターニングポイントとなる出来事が二つあります。
一つは、前回書かせていただいたボランティア演劇のことです。今までの葉子の人生の中でジョーほどストレートに葉子のことを批判した人は、いなかったと思います。この時葉子の心にジョーの言葉が刺さったと思います。
もう一つはジョーと力石のボクシング試合中のことです。
あまりの凄惨な試合に会場から、逃げ出そうとする葉子。それをジョーが制止します。
自分で火事場に火をつけておいて、そこから逃げ出そうとするのはおかしいと。
「あんたは、この試合を最後まで見届ける義務がある。」そうジョーは、正論で葉子に語ります。
この二つの出来事は、葉子の中にジョーの存在を大きく刻みつけたと思います。
今まで自分の周りにいなかったタイプの異性であるジョーに葉子は惹かれ始めていたのだと思います。

ニック
ニック

ジョーの言葉が葉子に刺さったんですね。

写真はイメージです。

葉子と力石

よく力石が生きていたら、葉子と力石は結婚していたはずという人がいます。
私はそれはないと思います。確かに力石が葉子に思いを寄せていることは作品中から明らかです。
葉子のボランティア劇でのエスメラルダを鼻の下を伸ばして見ている場面が描写されており、ジョーがあきれるぐらいですから。

では葉子の方はどうでしょう。
力石に好意を抱いてはいますが、恋愛感情とまではいえないように思います。
おそらく周囲から葉子と力石を結婚させるような話が出てきて、その話は進むと思います。しかし直前になり葉子がジョーへの思いに気づき結婚の話はなくなる。
あるいは、洞察力に優れた力石が葉子のジョーへの思いに気づき、自ら身を引く。
そういう展開になるのではと思われます。
力石ならそうすると思います。

ニック
ニック

力石は葉子にべたぼれしていましたね。

葉子について、また語りきれていませんので、次回後編で書かせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント